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2007年
9月30日(日) 一眼の亀
28日の時度記のなかに書いた、一眼の亀 の事を訊ねられましたので、知りえる範囲でご説明します。確かインドの仏教の教えの中に出てくる譬え話で・・・

この亀の眼は 生まれた時から片方しかありませんでした。
しかも この亀のお腹は燃えるように熱く、この亀の背中は凍えるほど冷たいのです。亀は普段は海底にいました。
彼が海の上に上がれるのは1,000年に一度きりなのです。
そこで、この亀の願いはただ1つ、海に上がった時に、何とかうまい具合に自分の体とぴったり合う流木に出会い、その流木に身体をすっぽり嵌めて、海の上に浮かぶことでした。
そうすれば、背中を暖め、お腹を冷やし続けることが出来るのです。
しかし 海上に上がったとしても、浮木にめぐり合うことは希でした。もしめぐり合えたとしても、木が腐っていたり、或いは思い通りの形もなかなか無く、嵌ってみると穴は大きかったり小さかったり、体ごと海の底に沈んでしまいました。
ある時、自分にピッタリの浮木を見つけました。
しかし、僻目であるがゆえに、違う方向へ泳いでいってしまうのです。

これは 本当にありえない願いを達成しようとする譬えかと思いきや、実は 人間には何かが足りなくて、足りてても歪んでいて、真っ直ぐに物事を見られない、そしてせっかく目の前にしたチャンスさえ、みすみす逃してしまって、しかも不幸、という事を、つまり業って奴かな? を教えているそうです。それ以上は哲学者に聞いてください。

一眼の亀が浮木に巡り合えるくらい、稀なことだと言いたかったのです。
ちと、オーバーでしたかしら?  それでは。

9月28日(金) 業務連絡?
 このティーズコーヒーには極わずかのお客様しか居ませんが、その少ないお客様からの問合せに、『どうして以前のように豆の種類がないのですか?』という声が多く、日記に書くのもどうかと思ったのですが、少しばかり説明した方がよいかも知れませんので、書きますね。

ティーズの釜は5k釜といって5k焼くには丁度よい釜です。
そもそも、釜自体が大き過ぎたのがいけなかったのかもしれませんが、この釜を使ってオンデマンドで焙煎するには、200gの注文に対して最低でも1キロを焼くことになります。
お客様は 通常 数種類の豆を注文することが多いので、多い時は日に7〜8種を焼くことになります。
この焼く作業というのは、非常に神経を使う作業です。私の知人でコーヒーの先輩でもあるZ氏は、3回も焙煎するとさすがにクタクタになるね、とおっしゃってました。私も同意見です。
概ね1キロ×3回焼くのに、まず釜の暖め(5kなので暖めにも時間が掛かります。)この時、釜だけを暖める人もあれば、これも人によって様々ですが、私の場合はダンパーを真ん中にして、つまり煙突部分にも暖気が行くようにして暖めます。暖めの火加減は極小さくします。ですから非常に時間が掛かります。ゆっくり時間をかけることによって、釜を芯から暖める効果を狙っています。この作業に約1時間以上が掛かります。
次に 焙煎です。これはそれぞれに約20分程ですが、1釜焼くごとに、この次の投入の為 自然に温度を下げなければならず、その時間が必要となります。特に1キロの焙煎の場合は、投入温度が低いですから 次の投入まで通常より多くの時間を要します。
そして焼きあがったら 豆をハンドピックです。
その後、釜を冷まして電源を切るまで、5時間掛かりました。後3種増えると、ただ焼くだけで1日を費やしてしまうでしょう。

そして、これは当然の事ですが、豆種によって、その日の風や、温度、湿度によって、温度を上げるタイミングや、火力、搬出のタイミングがそれぞれ違うのです。まして、5キロ釜で1キロを焼くのは (今では問題なく出来ますが、)結構大変です。

しかも、豆は全部捌ける訳ではないのです。(これは私の責任です。)
現在は(有)タローズのお客様へのプレゼントとして、このコーヒーを差し上げることで回転を良くしていますが、初期の頃は人に差し上げたり、飲みきれなくて勿体なくも土に還元した事もありました。
つまり、今現在のオンデマンド焙煎は 非常に非合理的なのです。しかも、只今在庫処分のセール中なので、皆様に提示している価格は原価もしくは、それを割ってしまっているので、どうか商品棚にある豆の中からお選び頂きたい。と言うか、むしろ『お願いします』に近い感じです。

コーヒー焙煎屋さんは山ほどあって、店頭等で網で焼いて即お渡ししたりするのを見ると、そんなに大変に思えないかもしれません。しかし、鋳鉄の釜を時間をかけて暖める、(それだけではありませんが)この焙煎方法は、ティーズの唯一のこだわりかもしれません。

又、ブレンドですが、最近良く思うのは、どんなに高価な豆でも トータルでバランスのとれた豆に出会えることは難しく、数限りなくある豆の中から、そんな豆に出会えることは“一眼の亀の浮木に合うが如し”くらい難しいものです。
又、スペシャリティの豆といっても、製造工程や農園・豆種は明示されていますし、スタンダードよりはハンドピックもなされてはいますが、上記のように味を保証するものではないのです。
そこで、ブレンドです。豆の値段が高い安いではなく、丁寧に焼き、味作りをすることによって、バランスを作り出すことがブレンドの目的。そう考えるとブレンドは大変面白いし、無限に存在します。但し、焙煎度合いを揃える事と、豆種が違う為に、煎り上がった豆をハンドピックする時に、やや苦労が伴います。スタンダードで5キロの混合(ブレンド)豆を焼いてハンドピックをすると半日以上かかるでしょう。

長く書いてしまいましたが、そして非常にわがままかもしれませんが、閉店までの幾月間 焙煎に追われるのではなく、多少のゆとりを持って 自分で納得しながら焙煎したい思いもあり、焼けた豆だけを商品棚に計上することとしました。
いつもと違うブレンドが載っているかもしれませんが、そういう訳です。
又、豆の賞味期限、この問題はいつも付いて回りますが、焙煎して約1ヶ月までは 豆のままの保管なら 美味しくいただけます。(厳密に味を求めたい人は、3週間まで。)
しかし、ティーズが販売するのは焙煎してから1週間までの豆です。
好みの豆がない場合もあるかもしれませんが、閉店まではこのような形で勧めてまいりますので、誠に申し訳ございませんが、どうかご理解下さい。
説明が長くなってしまいました。

9月26日(水) 秋めいてきました。
しばらくバタバタと忙しくしている間に、阿部さんが引退し、福田さんが自民党代表になりと、すっかり世の中も変わってしまって、おまけに朝晩もめっぽう涼しくなり、様変わりしてしまいました。
だからというわけではありませんが、ティーズコーヒーでも段々と整理されてきまして、焙煎室もスッキリしてきました。来年3月まで、インターネット店を開けて置くつもりでしたが、もしかすると 少し早まるかもしれません。
そんな中、中央林間のぜにさわさんから電話があり、声が弾んでいます。聞くと、ナント!“コピルアックが入った!!”そうです。だからテルさん、是非飲みに来て!
コピルアックといえば、インドネシアに生息するジャコウネコがコーヒー農園の赤いコーヒーチェリーだけを食べて、消化されずに残った種(コーヒーチェリー)がお尻から出てきたもの(→つまり糞にまみれたコーヒー豆)を精製したものです。
そのコーヒーは麝香の香りがするだけでなく、腸内の微生物、つまり善玉菌が作用する為、ルアックの腸内で熟成されるせいか、更に美味しさを増しているという代物です。
ヨーロッパの貴族やハイソサエティの間で飲まれる以外、一般の市場には流通しません。もちろんあっても非常に高価です。(ブルマンの比ではありません!)
又、ぜんさん、買っちゃったんだ。すごいな、コーヒーに掛ける情熱と、お金。又、それを買ってくださるお客様がいらっしゃる事。
早く行きたいんだけど、今少し時間が取れません。心は飛んでるんですけどね。
ぜんさんには、先日 彼のナポレオンが 死に際に『一杯のコーヒーを・・!』と呟いたという セントヘレナ・ナポレオンバレーの豆を頂いちゃいました。セントヘレナは 大変上品で、繊細なコーヒーでした。
コピルアックは どんなお味なんだろう!?早く飲んでみたいなぁ。
以前から気になっていただけに、本当に気になります。

9月12日(水) 小収穫
秋には秋の作付け大作戦があるのですが、それはさておき、わが畑では色んなものが ホンの少しずつ 収穫されているところです。
これは人参。
土に居る期間が長い人参は、実の部分に農薬が蓄積されやすいそうです。スーパーなどで買う人参は、クチクラ層といって、輪切りにした時に良く判るんですが、(外側〜内側に入ったところの輪迄をそう呼びます。)其処までを取り除かないと農薬を除去できないそうです。
其処へ持ってくると、こんなに小さな人参でも無農薬!ってありがたいですね。まだまだ葉っぱの方が多いですが、この葉っぱの香りの良い事と来たら!コーヒー並かも知れません。娘たちは人参臭い、といいますがね、スープや味噌汁に最後に浮かべていただきます。この前は、細かく刻んで佃煮の中に混ぜてやりました。緑黄色野菜の嫌いな連れ合いのために。
自分で作ってわかります。如何に野菜というものが手間暇を必要とするか・・・。お百姓さんには頭が上がりませんね。
しかし、食料でも何でもそうですが、東京都の自給率は10%とか・・。外国から食料を輸入する為に掛かるガソリンや燃料を考えると、自国でまかなうことで、かなりの温暖化軽減になるのでは・・と考えてしまいます。それに、長い船旅で香りも栄養も抜けてしまうんでしょうね。
食料がなくなる日が来たら、どの国もまず自国の飢えを救うでしょう。そうした時に日本は果たして生き残れるのか?私の作った、殆ど実のない人参を見ながら、物思いにふける、そんな秋ですねぇ。

9月5日(水) 蜷川づいてます。
蜷川の舞台『コリオレイナス』を録画していました。やっと見る機会が出来て、というより・・少しずつ観ています。蜷川の舞台は長いでしょ。だから毎日の暮らしの中では、なかなか一度に観ることはできません。それで、今日は洗濯物をたたみながらとか、今日はお料理しながら流している・・みたいな感じです。
舞台を観る態度としては 非常に失礼な話だと思います。でも、一度に観ようなどと思っていると、遂にチャンスを逃して 観ず仕舞いになってしまいそうな予感。だから、いいんです。 今日は続きの3回目でした。     しかし、これが良かった!
人はそれぞれ 何かに生きがいを見出して生きているし、叶えられること、叶えられないものがあります。シェイクスピアの物語は、人生にありがちな教訓を私たちに教えてくれるのです。

どんなに、素晴らしい人格の持ち主でも、幸せに成れるとは限らない、あんないい加減な奴が出世した・・・コリオレイナスのお話は、真っ直ぐで人に媚びず、自分の信じるままを進む主人公が、国のために命まで投げ出して戦った代価が、思いもよらぬ 彼を良く思わぬものの讒言で、国を追われてしまうと言うお話。
この無念は岩窟王、いやそれ以上かもしれない。何せ民衆の声によって追放されたんだから。・・・それってどれほどの屈辱だろう。民衆のために戦って、その結果民衆に追放される・・・。
【余談ですが、紀元前のギリシャでは、ナント!“コイツはイカン”と思った者を国外に追放できるという権限を 国民が 持っていたそうです。民衆が実権を握っていたのです。素晴らしいと思いませんか!今の日本じゃ追放なんてされたら、政治をする人がいなくなってしまいそう・・。政治家もいい加減なことは出来なかったでしょう。人のために尽くせば尽くすほど潤うシステムがこの時代に出来上がっていたのです。】 後、この続きはまだ観ていません。
この物語は 凄すぎるので、襟を正してもう一度最初から、洗濯物をたたまずに観たいと思います。(たたんでいる場合じゃない!)途中涙してしまって。コリオレイナスを演じる 唐沢寿明さんの演技が光ります。素晴らしい舞台です。

9月1日(土) 来年3月を目途に。
 店舗を出したり、辞めたり、皆さんにご心配をお掛けしたようですが、徹底して出来ないことはやらない方が良い、という結論に達しました。本腰を入れてなかったわけでは、決してありませんが、実店舗を構え、テルが店舗に居ることが出来る状態ができるまでは、やはり駄目です。
今現在 沢山の生豆を抱えていますので、来年の3月を目途に、この在庫をなくして行きたいと考えています。
セールのたびに買い付けたものや、意味不明の物品なども多くあります。順次 掲載していきますので、興味のある方はコーヒーと一緒に購入してください。
但し、プレゼント用のラッピング等の対応は出来ません
また、注文は月曜日に集中しますので、月曜日は焙煎に追われます。又、焙煎した豆を 即挽いて発送するのは、実は余りよくありません。焼き立てはまだ味が落ち着いていないので、少なくとも翌日に挽いてやる方が良いのです。そこで 発送日は 火曜日以降→金曜日までに変更いたします。
在庫がなくなれば、終了させて頂きます。多分3月頃まで続くと思いますが。一つの目途として、今後このように運んで行きたいと考えます。
どうかよろしくお願いします。

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