昨日積んだ藁の上を 今日は
漆喰で塗り固めていく作業です。
今回は外壁だけという事で、私は高い足場に乗っかるのが怖くて、やや腰が引けていました。でも始まってみると これはとても愉しい作業でした。
ただ、“外壁をこんなもので固めて果たして何年持つんだろう?”という不安はありました。
大丈夫、外壁に塗るものは、屋根瓦を止めているのと同じ漆喰が使われます。アメリカでは平気で100年以上、いえ170年以上も前の 藁で作られた建造物がまだ沢山残っているそうです。

そういえば、日本の家屋だって
壁土で塗られたものや、漆喰の土蔵なんかは100年経っても立派に残っていますよね。
日本国内では建築基準のために、このような広い“家”の場合
木造軸組構造でないと許可がでません。ですから組まれた枠のようなものの中に藁を詰めていきます。それでも鉄筋を通して、それはそれは頑丈に藁を積んで括ってと、念を入れます。
藁を積んでるだけですから、当然表面は凸凹です。ところがナント!塗っていくにしたがって 何ともいえない柔らかな曲線が出てきます。心を和ませてくれるような曲線です。どうやら この美しさに心を奪われた人たちが現スタッフのようです。
午後からは腕のあたりが重くなって、疲れが出てきました。冗談を言っては塗っていきました。そして20人の私たちボランティアとスタッフ総勢で 夕刻には何とか2階外壁の一層目の塗りが終了!作業はここまでです。明日の天気予報が雨なのでみんな急ピッチで頑張りました。
今回は一層目ですから、やや荒っぽいですが、二層目を塗るとかなり綺麗に、そしてきっと硬くなっていくのでしょう。

私、テルが何故このワークショップに参加したのか?・・・この壁のもたらす天然の断熱効果が
コーヒーの生豆の保管に役立てられないものか というのが一番の理由でした。
プレハブの焙煎室の壁の一部に、エコカラットを張っていただいたおかげで 夏場其処だけがなぜか冷んやりしていたのが始まりでした。生豆はやはり暑さを嫌います。
それからもホームセンターで 似たようなペンキのようなものを塗ってみたりもしました。
しかし、
ストローベイルの厚み、ナチュラルさ、そして価格は驚異的。しかも、エコロジーだし、女性でも建てられるんです!(つまりテルさんでも出来るってことです。)
密かに考えていた夢が実現すれば良いですが・・。
ストローベイルで作ったショップ、その廻りは畑とします。自然農法で作った野菜・自家で焙煎したコーヒー・電気を使わない地球に優しい生活の中で週末だけのレストランを営むというものです。
ストローベイルの建物の中にいると外界の音は聞こえないそうです。だから大音響で音楽や映画を愉しむことも出来そうです。 ま、夢ですけどね。

ワークショップでは、(大町スキー場のすぐ近くの)キャンプ場に建つ3階建ての建物の2階部分の壁をストローベイルで作ります。今日はその壁を積む作業です。
ストローベイル1個は概ね40×50×90〜100cm位の大きさ、重さは約18キロです。それをどんどん積んでいきます。
とは云うものの、1個ずつの大きさは微妙に違うので、いかに 隙間を少なく 硬くしっかりと、(互い違いに)組んでいくかが大きなポイントになります。 しかし それにしても女性でも積める重さです。

キッチリと積むためには、写真のような道具を使って、ベイルの中にロープを2箇所に通し結ぶのです。でも、それはもともとあった紐を解くためですから、切断のために結束するというのが 何とも不思議なところです。
初めて見た時は、チョッと驚きますよ。パラパラッと塊だった藁が解けてしまうんですから。(ア、やっぱり藁なんだ、と思う瞬間です。)
普段机に向かって仕事していると、こんないい汗はなかなかかけません。素晴らしい景色の中で お昼のお弁当を皆でワイワイ言いながら食べ、まるで小学生の遠足のようです。昼からは更にしっかりと固定するために鉄筋を通したり、紐で固定したりして、約40〜50cmの厚みのある壁が出来上がったのは、夕方5時ごろでした。労働の後の 晩御飯の美味しかったこと!

ここで、コーヒーの話ですが、スタッフメンバーの中に、I君という珈琲マニアがいたのです。彼が淹れてくれた珈琲はコーノ式でした。ストローベイル協会のスタッフでもある彼はその名も“
藁珈琲洞”と命名した趣味の珈琲組織を自ら作り、(柔らかい苦味と、コクの)
ストローブレンド を淹れてくれました。
私は、20人分をゆっくりと抽出している彼に もっと早く点てられるよ、とおせっかいにも云ってしまったのですが、藁珈琲洞は “ココロとカラダに優しくしみわたる珈琲”を目指しているので、この淹れ方も彼流なのでした。
わざわざ埼玉からこの長野まで 珈琲道具一式と珈琲豆を持って来てくれた彼、手挽きミルで挽いて、ゆっくりと丁寧に入れてくれた、ストローブレンドは最高の輝きを放っていました。
それにしても、今回こんなところで、こんな美味しい珈琲をいただけるなんて思ってもなく、実はこの建物もカフェになるらしく、コーヒーに縁が深いことに感謝しました。
人数が多すぎてほんの少しずつ分けられた 琥珀色の液体は みんなの疲れた体にゆっくりと、心の中まで染み渡っていくようでした。。

かねてから願っていた、
日本ストローベイルハウス協会のワークショップが今日から始まります。
耳慣れない言葉かもしれませんが、環境に優しく、サスティナブル(永続可能)な住宅、しかも女性でも その建築に携わることが出来るということに興味を持ち、この日を首を長〜くして待っていたのです。
例えば極端には10坪くらいの簡単な小屋でも材料費はわずか5万円程度というのです。
断熱効果で、夏場のクーラーは殆ど必要ないそうです。地球温暖化を食い止める1つの手段となるかもしれません。
しかも材料は
藁(ワラ)!
まッ、そんな魅力的なストローベイルハウスを 建てる現場をお手伝いさせていただけるということで、長野県安曇野まで来ました。

ここは、黒沢明監督の映画 『夢』の1シーンを撮影したわさび園が近くにあり、寄って見ました。
あまりの素晴らしい光景に、思わず言葉が出なくなるほどの美しい景色、その水・・・。
さ、明日からはストローベイルの現場です。
おばちゃんだけど、ガンバロー!